著者:智明(自動車査定士・記者)
新車ディーラーや中古車販売店で、主に営業と査定業務を担当。フリーランスの記者として車雑誌や新聞コラムなどを執筆。車が趣味で、車一括査定を利用しての売却経験は10回以上
※保有資格:FP・中古自動車査定士・二級自動車整備士
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新車に限らず車の購入をした後に一番の楽しみといえば、やはり納車を挙げる人が多いのではないでしょうか?
できれば1日でも早く新しい車のハンドルを握りたいものですが、「これから長い付き合いになる愛車なので縁起にこだわりたい!」といった人も少なくないようです。
縁起がいい日といえば大安を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、それ以外の日でも納車をするのに縁起がいい日もいくつかあります。
また、最近では縁起の良し悪しにこだわらない人も多いようですが、縁起に関係なく出来れば納車を避けたい日もありますので知っておきたいものです。
そこで今回は納車にいい日のほかに、できれば納車を避けたい日に加えて当日にやるべき事も解説いたします。
六曜から納車にいい日を選ぶ
日本では身近な六曜とは
現代でも冠婚葬祭や引っ越しなど人生の大きな節目で縁起のいい日を選ぶために多くの人から重要視されているのが、14世紀ごろに中国から伝わった六曜です。
六曜は縁起を日々の吉凶を占う考え方のひとつで、三国志の諸葛孔明が発案したとの説もあります。
みなさんの身近なところでは、大安や友引などカレンダーに小さく書かれているのを見られたことがある人も多いのではないでしょうか?
六曜には先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤日の6種類があり、各日付に対して順番に当てがわれています。
なお、旧暦の毎月1日は下記のように固定されていますので、現代で使われているカレンダーでは、途中で順番が途切れることもあるようです。
- 1月・7月の旧暦1日:先勝
- 2月・8月の旧暦1日:友引
- 3月・9月の旧暦1日:先負
- 4月・10月の旧暦1日:仏滅
- 5月・11月の旧暦1日:大安
- 6月・12月の旧暦1日:赤口
六曜から縁起がいい納車日を考える
先勝(せんしょう)
文字が表すとおりで「先んずれば勝つ」といった意味があることから、何を行うにしても早めに済ませてしまうことが重要とされるため、運性がよい時間帯は午前中または14時までとされています。
納車日としても人気な先勝ですが、14時~18時は運勢がよくありませんので、納車は運勢がよい午前中に済ませるようにスケジュールを組むようにしましょう。
友引(ともびき)
本来は「共に引き分け」と勝負が付かないこと意味していましたが、現在では文字通りで「友を引く」の意味合いで使われています。
また、「何事も無事に終える」という意味も含まれていることから、結婚式や入籍などのお祝い事には大安に次いで縁起のいい日とされており、「事故に遭わない」といった意味合いからも納車日としてよく選ばれているようです。
友引で気をつけたい点としては朝や夕方は運勢がよいとされていますが、丑の刻にあたる11時~13時は運勢が悪くなりますので、納車は朝のうちか夕方に行った方がよいでしょう。
先負(せんぶ・さきまけ)
「先んずれば負ける」を意味しますが、勝負事や契約などは避けるべき日とされています。
また、午後からは運勢がよくなると勘違いされていることも多いようですが、午後からも運勢が決してよいとはいえないので、できれば先負の日の納車は避けたいものです。
ただし、縁起をかつがないのであれば、納車を希望する人が少ない傾向があることから、ゆっくりと車の説明が聞けることに加えて希望する日時も選びやすい日だといえるでしょう。
仏滅(ぶつめつ)
「尊い仏をも滅ぼす」という意味があることから六曜の中でも最も凶日とされており、結婚式などのお祝い事では最も避けられる日ではありますが、逆にお葬式や別れには吉日とされています。
もちろん縁起をかつぐのであれば納車は避けたい日ですが、前述の先負と同様に縁起をかつがなければ納車のスケジュールも取りやすい日ともいえるでしょう。
赤口(しやっこう・せきぐち)
「すべてが消滅する日」ともされている日で、仏滅と並んでお祝い事には縁起がよくない日といわれています。
また、「赤」という漢字が含まれることから、刃物や火に関する物の取り扱いには注意が必要です。
納車ももちろん避けたいのですが、どうしてもこの日しか都合がつかない場合は丑の刻にあたる11時~13時は吉となるため、この時間帯に納車を済ませるようにしましょう。
大安(たいあん)
六曜の中で最も縁起のいい日とされている大安ですが1日を通して運勢がよいことから、結婚式をはじめ開店や引っ越し、大口の商談といった長時間におよぶ行事に向いているといわれています。
納車もこの日を選ぶ人が圧倒的に多いことから、とくに土日などではスケジュールが取りづらいことが難点ですが、縁起をかつぐのなら大安を選んでおけば間違いないといえるようです。
その他にもある納車にいい日
六曜の吉日以外にも縁起がいい日がありますので、いくつか紹介しましょう。
天赦日(てんしゃにち・てんしゃび)
天赦日は六曜とは別に日本の暦の中では最上の吉日とされており、「天が万物の罪を赦(ゆる)す」という意味合いがあることから、あらゆる障害がなくなり何事もうまくいく日といわれています。
とくに新しく物事を始めるのには最適な日とされていますが、金運にも恵まれることから、結納や入籍、契約、開業だけでなく宝くじの購入日としても人気が高い日です。
もちろん新しい車を迎える納車にも最適な日といえますが、年に数回しかないことから納車のスケジュールを調整することが難しい点がネックといえます。
どうしても天赦日に納車をしたい場合は、納期をあらかじめ確認しておいて契約時期や納車日を調整する必要があるでしょう。
ちなみに2024年後半の天赦日は、7月29日・8月12日・10月11日・12月26日となっています。
一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
一粒万倍日は種もみ1粒が1本の稲となり、万粒のお米が獲れることから「わずかなものが飛躍的に増える」という意味を持ち、何事を始めるのにもよい日とされています。
この日は種まきや結婚式などお祝い事のほか、財布の新調などでも人気が高い日です。
先述した天赦日と違って月に4~6日、年間で約60日あることから納車日として選択する難易度は低く、タイミングがよければ他の吉日と重ねることもできますので納車日としても適した日となります。
なお、一粒万倍日は納車日としてかなり人気が高いので、この日に納車を考えるのでしたら、できるだけ早めに納車のスケジュールを組むようにしましょう。
甲子の日(きのえねのひ)
甲子の日は60日周期で訪れる開運日で、物事を始めるのには運勢のよい日とされています。
また、大黒天のご縁日であることから金運や財運も上がる日で投資の開始や財布の新調などで人気が高いだけでなく、納車日としても適しています。
甲子の日は60日周期であることから1年間で6日しかありませんが、他の吉日と重なれば運気もさらに上がりますので、タイミングが合えば納車日として狙ってみるのもよいでしょう。
縁起をかつがなければ平日の昼間がおすすめ
先述した吉日など縁起をかつがないのであれば、販売店や販売担当者も時間的な余裕があり、ほかのお客さんの来店も少ない平日の昼間が納車にはベターといえるようです。
納車は車を受け取るだけでなく、各種手続きや車の確認など意外と時間がかかりますので、平日の昼間でしたら丁寧な対応を受けることができます。
お仕事や学校などで都合がつかないことも考えられますが、長い付き合いとなる車だけにしっかりと説明を受けたいのであれば、平日の昼間の納車を検討してみるとよいでしょう。
納車を避けた方がいい日
縁起がいい悪いに関係なく納車日として適していないのが雨の日、納車前に洗車されて磨き上げられた車体が汚れてしまうだけでなく、せっかくの新しい車生活がスタートするのにテンションも下がってしまいます。
とくに中古車を購入された際には、車体に付いたキズや凹みなどを納車時に再確認しておきたいものですが、車体に付着した雨粒でそれらを見落としてしまう可能性も高くなりそうです。
事前に天気予報で雨と判っているのであれば、納車日を変更してもらうのもよいでしょう。
また、時間帯でいえば夜間の納車もできれば避けたいもの、雨の日と同様にキズや凹みなどの見落としが考えられるほか、販売店の営業時間などの関係で十分な説明が受けられないことも考えられます。
納車当日にやるべき事
受け取った書類の確認
販売店から受け取った車検証や自賠責保険証明書、リサイクル券、保証書などの必要書類が完備されている確認しましょう。
とくに車検証は記載されている住所や氏名が間違っていると自動車税の納税通知書が届かないなど、後々にトラブルが発生する原因にもなりますのでしっかりと確認することが必要です。
装備品の操作方法の説明
最近の車ではETCやカーナビ、安全装備など装備品も多く、いざ使う時に操作に困ってしまうこともありますので、納車時にしっかりと説明を受けておきましょう。
とくにETC車載器の位置やオートハイビームの解除方法など、メーカーや車種によって取り付け位置や操作方法が違うものは、納車時に確認しておくことをおすすめします。
車体全体のチェック
新車でもメーカーから販売店への輸送時にキズや凹みが付いてしまうことがありますので、車体全体をしっかりと確認しておくことが必要です。
万が一にもキズや凹みを見つけた際には、後からでは納車前から付いていたと証明することが難しいので、その場で担当者に申告をして対応をしてもらうようにしましょう。
自動車保険の手続き
新規での車購入の際は自動車保険の新規加入、買い替えの際には車両入替と、保険の手続きも納車後に運転するまでには行っておく必要があります。
販売店に車両番号などの自動車保険加入時に必要な項目を事前に知らせてもらうように依頼しておけば、納車日前でも手続きは可能ですので早めに済ませておくとよいでしょう。
まとめ:納車にいい日・避けたい日
納車は新しい車との出会いの大切な日なので、できれば縁起のいい日を選びたいものです。
六曜から選ぶのであれば先勝や友引、大安が おすすめで、天赦日や一粒万倍日、甲子の日など他の吉日と重ねることができればさらに運気が上がるでしょう。
縁起にこだわらないのであれば、ゆっくりと説明を受けられる平日の昼間を選ぶとよいでしょう。
一方で雨の日や夜間の納車は避けたいもの、車体の汚れやキズ・凹みの見落としにつながるだけでなく、十分な説明が受けられない可能性もあります。
また、当日は受け取った書類や車体のチェックを念入りに行い、ETCやカーナビをはじめとする装備品の操作方法の説明もしっかりと受けておくことが必要不可欠です。
そして、納車後すぐに運転するためにも自動車保険の手続きを忘れずに済ませておきたいものです。
新しい相棒となる愛車を迎える大切な日、当日にバタバタして確認の抜けなどないように、準備をして当日を迎えましょう。